治療費のこと話します…
治療費は...
安ければ安いに超したことはありません。世の中にも安いモノが多く出回っています。
治療費を比べる時に考えなければならないこととは、どんな治療結果を受け取ることが出来るかでしょう…。
治療費を支払う対価として、どんな治療結果を受け取ことができるか。このことを理解して、治療費を比較しないと治療が終了したからでは取り返しが付きません。
モノを買うのであれば、選択が間違ったと気付いたときに買い換えれば良いかもしれません。しかし、あまりに高額の商品の場合は、それが出来ない場合もあるでしょう
治療費を支払う対価として、どんな治療結果を受け取ことができるか。このことを理解して、治療費を比較しないと治療が終了したからでは取り返しが付きません。
モノを買うのであれば、選択が間違ったと気付いたときに買い換えれば良いかもしれません。しかし、あまりに高額の商品の場合は、それが出来ない場合もあるでしょう。
インプラント治療もトラブルが起きたときには、やり直しがきかない、もしくは著しく困難な場合が多いのです。
また、トラブルが治療中や治療直後に顕在化すれば解りますが、顕在化するのに長い時間が掛かったり。専門家が診て解る、潜在化したトラブルの場合では、患者さんには解りません。
もちろん、治療の結果に予測不可能な事が起こることもありますし、何が起こるか解らないことも事実でしょう。しかし、なるべくしてなったは困ります。
すなわち、治療費の対価として受け取る治療結果の差が、治療を始める前に解らないことが治療費の比較に大きな障害となります。
安い治療が悪くて、高い治療が良いと言うつもりもありません。
また、安い治療の選択はいけなくて、高い治療を選択する方が良いとも言うつもりもありません。ここでお話ししたいことは、肩を持つこと無く公平に、治療費と受け取れる治療結果を専門的に考察することです。
ここでは、患者さんが感じた主観的な感覚は考えないとしましょう。実際の治療においては、人と人の感情でその後の満足度は変化することでしょう。そのことをここでの話題に入れ込むと少し話がややこしくなりますので。
巷のホームページを色々と見て回ると、インプラント治療費には幅がある事が解ります。日常の生活で買い物をするときでも、同じカテゴリーの商品でもその価格には幅があることは珍しくありません。買い物をするときには、価格差を考え自分で選択して買い物をすることと思います。そして選択の基準は人それぞれと思います。
インプラント治療で大切なことは、選択するための情報が足りなかったり、偽りの情報が紛れ込んでいることです。
すなわち、治療費の妥当性に見当がつかないことです。
激安インプラントの嘘と本当
インターネットでインプラントを検索すると必ず目にする安価なインプラント。
そもそも、安いや高いはある基準に対して上か下かで安いと高いと表現される単語なので、表現の根拠も曖昧と思えますが...。
ここで思いつく価格の基準とは、おそらく患者さんの感情でしょう。インプラントの治療費に対して思い描く治療費用のイメージ、インプラントの治療費って大体こんなもんかなー、といったイメージが基準となっていると考えられます。
統計的に多くの人が思い描く感情の治療費の平均に対して、実際の治療費が安いのか、高いのかと言えるでしょう。
モノを売る、売れ筋商品を開発する。こういった発想からは、消費者の価格感覚から商品の価格を設定する。間違っていないように思えます。
そして、売れそうな価格を設定して、その価格で採算性のとれる商品開発を行う。安価な商品を作るのであれば、いろいろなことを省くことも商品開発の段階で行うでしょう。
こうしてモノが作られ製造され流通にのる。世の中の市場原理なのかもしれません。
医療の現場でも、まずはじめに売れそうな治療費を想定し、その治療費で出来ることを行う...
違和感を感じる人、
違和感を感じない人...それぞれです
インプラント治療費の低価格化の理由を、いくつかのホームページから引用すると共通項目があります。
- 単価の安いインプラント体の使用
- 利益を抑えた医院運営
- 最新医療提供による効率化
- インプラント特化による効率化
- etc
などが見受けられました。
一つ一つ考察してみましょう。
インプラントも仕入れ単価に差ががあります。あまりインターネットには書かれていないのですが、実はそれ以外でもいろいろな精密パーツを使用してインプラント治療は成立しています。 インプラント体以外に何を使うかで、インプラントの仕入れ単価の差以上に、単価コストは変わってきます。インプラント体そのものを省略してはインプラント治療になりませんから、省略しても解らないものは省略するか、もしくは省略しないかでコストは変わります。 この部分は質に影響を与えます。
利益を抑えた医院運営をもう少し考えてみましょう。このことはインプラントに特化した効率化とも関連し、利益を抑えても多くの患者さんがインプラント治療で来院することで医院運営が行えるとされています。
この利益についてもう少し詳しく考えてみたいと思います。それは治療行為に対する時間あたりの利益です。
今までお話しいてきた内容で、何年も先のことを考えたインプラント治療にはかなり多くの時間が必要な事はお解りいただけたと思います。
治療を行ったことによる歯科医院の時間あたり利益を考えた時、時間の必要な治療を行えば、治療費に反映する事はお解りいただけると思います。結果を大切にすれば必要な時間は増えることになります。
患者さん一人からの利益ではなく、歯科医院の時間あたり利益と置き換え考えたたとき、何処に重点を置くか病院かが解って来るでしょう。
根拠はありませんが、決して安くないインターネットの広告費を患者さんの治療費に計上するコストを考えると、時間あたりの利益は抑えているのではなく、むしろ他の医院より多いのかもしれません。
最先端のインプラント治療を行うと、治療コストを抑えることが出来るのでしょうか。このことは、自分自身の経験上ではありますが、最先端が低コストであるとはいえないようです。
電気製品の市場では、新しい高性能な商品が、旧製品と同じであったり、時には新商品のほうが高性能であるにも関わらず安価であることがあるようですが、歯科治療ではそうはいきません。
インプラント治療は、インプラントという商品を買う、インプラントを使った治療結果を受け取ることを目的としています。同一商品大量生産とは全く異なり、一つ一つのハンドメイドになるため、必ずしも最新の医療が効率化となり、低コストとはいかないようです。
また、最先端の医療が簡単であるかどうかは別で、最先端であるがために手間やコストが掛かる治療が沢山あるのが医療かもしれません
インプラントに特化する事により効率化は行えるのでしょうか。それは、これからお話しすることにより可能かもしれませんし、不可能かもしれません。
インプラントを次から次へ骨へ埋めることだけを考えて、それ以外のことを行わないことを効率化と称するするのであれば可能かもしれません。インプラントに特化するという専門性をかかげ、専門性高く行うためには、より他よりも質の高い結果を出さなければならないにもかかわらず、一般の人が理解しやすいこと、すなわちインプラントを埋めることと、単純なインプラントの被せもの着けることだけを行えば。
インプラントに特化することを、専門家であるが故に高い専門性を持って、一般の方が解らないようなことでも、専門家だから解る治療の結果を重要視した場合は、なかなか低コストとは行かないようです。
今までのお話しで、かなりすっきりとご理解頂けたのではないでしょうか。インプラントには幅の広い治療結果が存在し、どこを目指すかによって治療のコストが存在することを。
いろいろな言葉遊びのような根拠を並べても、低価格の施設で、治療の結果を高く目指している施設と同じ結果が得られることは無いと考えます。
しかし、低価格のインプラントを否定するつもりもなく、本当のことと、本当でないことをしっかり理解した上で、得られるものと得られないものが解ったうえで選択したならば、その選択は間違っていないと思います。
最も悪いのは、設定した治療費では出来ないにもかかわらず、言葉巧みにあたかも素晴らしいことができる様に誘導することや、治療費が高いにもかかわらず、それに見合う結果の伴わない場合でしょう。