誤解されている安全、安心
インプラント治療の安全を考えたとき、まず初めに思いつくのは何でしょうか?
- 骨としっかりと付くのだろうか?
- 手術で感染しないだろうか?
- 出血が止まらないなんて事は…?
- 神経を傷つける危険性は?
多くの患者さんは、手術に対する心配をして安全に手術を受けたいと思います。
そうです。インプラント治療はインプラント埋入手術が必ず必要なのです。
二つの安全を考えよう
インプラント治療のリスクを抽出したとき、インプラント埋入手術のリスクは大きなリスクファクターの一つとして存在しています。患者さんの誰しもが手術を心配するのは当然のことでしょう。
しかし、インプラント治療のリスクを、もう少し専門的に抽出してみましょう。
そこにはインプラントの埋入手術の後にあるとても大きなリスクがあることに気付きます。
それは、治療終了後にトラブルを発生させないこと。すなわちいかにインプラント治療が長持ちするか、もしくは短期間でトラブルを生じてしまうかということです。
患者さんはこのことに目を向ける必要があります。治療が終了してからでは、この事のリスク回避が出来ないのです。つまり手術に対する安全というのは、必ずしもその場限りのことではないということです。
こうして、安全なインプラント治療とは、インプラントの治療を受けているとき安全であることはもちろん、治療終了後も安心した状態で長持ちすることといえるでしょう。残念な事に治療を受けている途中で、患者さんが長持ちする治療か、将来トラブルを抱える治療か判断することは出来ないでしょう。
もっとも、未来のことは誰にも解らないはずだと反論されると、何も言えなくなってしまいますが、明らかにこれはマズイな...と思う症例を実は結構見かけます。
長持ちするインプラント治療とは、どのようにインプラント治療をするかの診断から技術までのトータルでの力量の結果から得られます。
もちろん、患者さんのケアーの協力も忘れてはいけない項目ですが…。
二つのうちどちらも失敗が起こっては困ることでしょう。しかし、一つ目の項目はインプラント治療の普及とともに、だんだんと顕在化してきました。
二つ目は、まだ患者さんが気づかないだけで、潜在的に増えていると思います。インプラントに携わる者としては危機感を持っています。
非常に残念な事ですが、かなり多くの歯科医院でインプラント治療が行われるにつれ、量の増加が結果として質の低下を招いてしまっています。同じ様なことがいえる他の業界もあると思いますが...。