インプラントの失敗って?
どんな状態をインプラントの失敗とするのでしょうか?
インプラントについて調べていると、骨と付かないことが真っ先に思いつくことでしょう。もしくは、治療終了後にインプラントが骨から脱落してしまうこと。
もう少し考えてみましょう。インプラントが骨に付いていたら、インプラントは成功でしょうか?
患者さんの視点で考えてみると、なにやら正しく思えてきます。インプラント治療はチタンで出来た人工の歯根を骨に埋めて、骨と接合したインプランに歯を付けるのですから。
先ほどの話も併せて考えてみましょう。インプラントが骨と付くことをインプラント治療の成功と考えると、安全、安心なインプラントは、先ほどの一つ目の項目だけしか満たしていないことになります。
繰り返しお話すると、長持ちするようにインプラントを埋めなければ、二つ目の安全が達成できないのです、すなわちどの様にインプラントが骨に埋まっているかも、大きな問題となるのです。(これは大変重要なことで、もっと知って頂きたいので後で詳しく述べます。)
つまり、インプラントの埋め方にも成功と失敗があるのです。
もし、手術の途中で方向の誤りに気付いても骨にや穴が開いてしまっていますし、埋めた後で埋め方の失敗に気付いても、インプラントが骨と付いてしまったら修正のしようがありません。
インプラントの成功と失敗の基準が、実は患者さんと歯科医師では異なることがあります。治療として行わなければならないことあれば、きちんと説明を聞いてそれは行うべきでしょう。我々は患者さんの声に耳を傾けますが、我々の声にも耳を傾けて下さい。
ここにもある安全2つの法則
インプラントを埋める際の安全について考えたいと思います。
1.
神経や血管を傷つけないように、そして術中の全身状態や感染症等の、いわゆる外科的な事で起こる事故がないように、十分な配慮でインプラントを埋める手術をすること。
2.
骨の中にどの様に埋まっているかが、実は大きな問題となること。そのことが治療終了後、5年、10年、15年と後になってジワジワと少しずつ関係してくること。
二つ目の項目は、患者さんは気付きません。そして後になって起きる問題に関係するため、原因として断定することは難しい項目です。もちろん、個人差やメインテナンスの状態でも変わってくる可能性も否定できません。しかし、インプラントの埋め方の良し悪しが、その数年後に起こるかもしれない問題の危険因子になり得ることも事実です。